モストグラフ
-
モストグラフ

モストグラフは、呼吸の状態を、空気が気道を通るときのとおりにくさを「気道抵抗」と肺がどれだけスムーズに膨らんだり、しぼんだり、硬いか、弾力がないか、末梢抵抗が強いか弱いかを「リアクタンス」としてとらえる新しい呼吸機能検査です。呼吸中に微弱な振動を加えて呼吸抵抗(respiratory resistance:Rrs)とリアクタンス(respiratoryreactance:Xrs)を測定します。健康な気道では空気の流れがスムーズで抵抗は低く、気管支が狭くなると抵抗が高くなります。測定結果は波形として視覚化され、緑色の平らな波形が正常、赤色で高く波打つ波形は気道が狭くなっている可能性を示します。結果は色分けされ、正常なら緑、抵抗が強くなるにつれて黄→赤→青と表示されます。従来の検査法(スパイロメトリー)では捉えにくい“末梢気道”の状態も調べることができるので、長引く咳や息切れの原因検索、特に喘息やCOPDなどの呼吸器疾患の診断や管理に役立つ呼吸機能検査です。

モストグラフでは、呼吸器系全体の粘性抵抗(Rrs)と弾性・慣性に関わる呼吸リアクタンス(Xrs)を測定します。Rrsは気道抵抗や肺組織抵抗、胸郭抵抗を含み、実用的には「気道径」を反映します。従来の単周波数オシレーションに対し、モストグラフは広域周波数を用いることで、周波数依存性の呼吸抵抗もリアルタイムで評価可能です。
通常の検査で異常が見つからない場合でも、気道抵抗の変化を検出可能です。スパイロメトリーよりも生理的変化をより鋭敏に検出できる可能性もある。
COPDでは呼吸抵抗が高く、周波数依存や呼吸周期依存が見られます。
現在の喘息治療が適切かどうかを判断できます。
検査はマウスピースを口にくわえて約10秒間普段通りに呼吸するだけで、10秒程度で完了します。
色分けで抵抗の強さを視覚的に確認でき、治療効果や病状の変化を追跡可能です。 モストグラフは、呼吸器疾患の早期発見や管理に役立つ画期的な検査であり、特に従来の検査で異常が見つかりにくいケースや小児・高齢者の診断に有効です。
従来の肺機能検査(スパイロメトリー)や呼気NO検査は、強く息を吸ったり吐いたり、一定の時間呼気を継続しなければいけないなどの、患者側からすると一定の努力性呼吸が必要で、検査の成功具合は、患者側の努力に依存する部分があり、中にはうまくできない方もいらっしゃいますが、モストグラフは、普段の呼吸をするだけで検査ができます。そのため、呼吸が苦しい患者さんや高齢者、女性でも、簡単に受けられる検査です。
モストグラフは、安静呼吸で簡単に気道抵抗を測定できる新しい呼吸機能検査であり、従来の努力性呼吸を必要とする検査よりも身体的負担が少なく、喘息やCOPDの早期診断・治療管理に非常に有用です。結果は波形や色分けで直感的に理解でき、末梢気道の評価も可能な点が特徴です。
モストグラフは、「空気がどれくらいスムーズに流れないか」を調べる検査です。
太くて新しいホースは、空気が流れやすい。細くて古いホースは、空気が流れにくいというイメージです。
普段どおりの呼吸を30秒ほど続けるだけで測定できます。
高齢者、小児、咳が強い患者さんでも比較的検査がしやすいです。
全体的に平らで緑中心の山です。吸気と呼気で波形の形、色に差がありません。
気道抵抗が全体的に高く黄色から橙色が増えます。呼気相と吸気相で気道の抵抗の差が乏しく、周波数依存性があまり見られません。
呼吸抵抗が吸気相で低く、呼気相で高くなる呼吸周期依存性を認め、周波数の低いところで気道の抵抗が高くなる、周波数依存性を認めます。

梅屋敷さわもとクリニック 院長
澤本 修一
帝京大学医学部卒業後、都立広尾病院呼吸器科、帝京大学附属病院第二内科、社会保険都南総合病院に勤務。2002年に梅屋敷診療所を開設し、現在は梅屋敷さわもとクリニック院長として診療を行っています。呼吸器、特に気管支喘息の研究経験を生かし、呼吸器疾患やアレルギー疾患の診療に取り組んでいます。
主な資格
認定内科医・認定産業医
身体障害者福祉法指定医(呼吸器機能障害)
TOP