梅屋敷さわもとクリニック

〒144-0052 東京都大田区蒲田2-7-17
TEL:03-6428-6658

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咳が長引く患者様へ

当院は予約制ではありませんが、以下の症状に該当する方は、
必ず電話で事前に予約してからご来院ください。

ご予約が必要な患者様

  1. 呼吸が苦しい方
  2. 咳のために夜間眠れない方
  3. 痰が多い方(1日の痰の量がおちょこ1杯以上の方)

なお、予約なしで来られた方は、混雑状況により後日の診察とさせていただく場合がありますので、ご了承ください。

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院長ブログ

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そんな治療で本当にいいの?

かつて気管支喘息は、最悪な場合には、死にも至る病でしたが、現在では、薬物治療が進歩し、ほとんどの人はコントロールが可能となりました。ところが、正確な診断ができる医師は少なく「重度なぜんそく」については95%が誤診とされています。夜間の呼吸困難や喘鳴(息を吐き出す際にゼイゼイ、ヒューヒュー音がする現象)だけで気管支喘息と診断され、一般的な治療では軽快しないため、経口(口からお薬を飲むこと)ステロイドを増量されたり、ステロイドを筋肉注射され、後戻りできないほどのダメージを受けた方や、更には、ステロイドが無効な場合は、高額な注射を使用されていた方もいらっしゃいました。ステロイドを大量に連日服用すると、体重増加を招くだけでなく、骨粗しょう症という骨がもろくなる病気になり、あげくの果てには骨折してしまいます。不幸にも、肉体的苦痛、経済的苦痛、副作用の苦痛を同時に受けた方が現実に存在するのです。重症喘息の95%が誤診の訳は、アレルゲン(アレルギーを起こす物)を特定しないままに安易な治療をする医師が多いからです。すなわち正確な診断ができる医師は少ないのです。事実、私も喘息の専門医とし30年間働いてきましたが、ステロイド依存の患者さんは、皆無です。今日、医学が進歩しステロイドが無効の患者さんには、生物由来製品という選択肢があります。実際、私の外来にもその薬を使用している患者さんが一人いらっしゃいます。その方は、私の外来を受診する前は、ステロイドを常用し、増悪時には月に2から3回救急車に乗って、夜間の救急外来を受診していました。開業後は音信不通でしたが、開業10年後にふらりと外来を受診されました。元来難治性でしたが、受診理由と前医での治療内容を聞いた後、迷わず生物由来製品を選択しました。するとどうでしょう。投与後物の数か月間で、ステロイドからの離脱に成功し、従来記録していた喘息日誌のピークフロー値がすぐにグリーンゾーに入り、そこから微動だに動かず、さらにはその波形が理想のさざ波状を示すようになったではありませませんか。そして、昼夜を問わず出現していた喘息症状は、ぴたりと止まり、その後、皆無になりました。みなさん想像してみて下さい。月に2から3回も救急車に乗って夜間の外来を受診しなければいけなかった人が、たった一つの薬を選択することによって発作がほぼ完ぺきに抑えられたのです。大げさに言えば、わずかに新しい治療を加えただけで、人生が180°変ったのです。このお薬は、私が大学を離れた後から治験が始まり、後輩が「先生本当にいい薬ができましたよ」と目をギラギラさせて私に訴えてきたことを今でも鮮明に覚えています。そもそも、ぜんそくを正しく診断できる医師自体があまりにも少なく、私自身も治療よりも診断が難しい疾患であると痛感しています。確実に診断できるツールは、気道過敏性テストと誘発テスト、可逆性テストですが、開業医が行うには無理があります。直接のぜんそく死は、20年前の年間6000人以上から現在では1500人まで減少しています。しかし、間接ぜん息死、すなわちステロイドによる副作用(骨粗しょう症や感染症など)で亡くなる方は、今でも少なくありません。ただしこれは医学統計や死亡診断書統計には表れないので、あまり知られていないのが現状です。