梅屋敷さわもとクリニック

〒144-0052 東京都大田区蒲田2-7-17
TEL:03-6428-6658

梅屋敷さわもとクリニック

MENU
WEB予約
問診票

咳が長引く患者様へ

当院は予約制ではありませんが、以下の症状に該当する方は、
必ずWEBもしくは電話で事前に予約してからご来院ください。

ご予約が必要な患者様

  1. 呼吸が苦しい方
  2. 咳のために夜間眠れない方
  3. 痰が多い方(1日の痰の量がおちょこ1杯以上の方)

なお、予約なしで来られた方は、混雑状況により後日の診察とさせていただく場合がありますので、ご了承ください。

×

長引くセキ

Prolonged cough

咳嗽(セキ)について

咳の分類について

咳嗽は、発症からの経過によって3段階に分けられます。3週間以内は急性、3から8週までが遷延性、そして8週以上が慢性と区分されています。急性咳嗽の原因の大半は、呼吸器系ウイルス感染症すなわち風邪なのですが、それ以外には百日咳、マイコプラズマ肺炎などが含まれ、この2つの疾患を確定するには、血液検査が有効です。

多くの患者さんは、発症から3週間以内に来院されるので、分類上は急性咳嗽です。しかし、その中には、遷延性もしくは慢性咳嗽に進展していく疾患も含まれていて、それらは、問診表からある程度は鑑別が可能です。それ以外の急性咳嗽は風邪なので、安心される方が大半なのですが、長びく咳は、患者さんにとっては辛いものです。当院ではなるべく早く咳を止めるために、様々な処方を駆使して、患者さんを楽にして差し上げるように努めています。

咳喘息について

長引く咳で一番多い疾患は咳喘息で、特徴は就寝時、深夜あるいは早朝に咳が悪化しやすい傾向にあります。症状はしばしば季節性が認められます。上気道炎、冷気、運動、受動喫煙を含む喫煙、花粉などが増悪因子になります。咳喘息の治療は気管支拡張薬です。診断には気管支拡張薬の有効性を確認する事が診断には重要です。

1:診断に有用な検査
1.問診
咳問診票を使用します。
2.聴診
喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒュー)は聴取されません。
3.胸部レントゲン撮影
正常です。
4.呼吸機能検査

呼吸機能検査

ほぼ正常です。
5.喀痰検査
喀痰中の好酸球数増多は、補助診断に有用です。
6.呼気NO検査

呼気NO検査

呼気NOの高値は、補助診断に有用です。高値を示さない方もいらっしゃいます。
詳しくはこちら
7.血液検査
種々の環境アレルゲンに対する特異的IgE抗体の存在が60%前後の方に見られます。結果により、環境管理を指導します。
2:治療について

吸入ステロイドを中心とした、長期治療が必要です。

3:予後について

経過中に成人では無治療の場合約30~40%が典型的喘息に移行します。

4:症状について
  • 深夜から早朝にかけて増悪する咳
  • 寒暖差、会話、湯気によって誘発される咳
  • 風邪が良くなった後も続く咳、同じ症状がここ2~3年は続いている方
  • 市販の咳止めが効かない方

NOについて

咳嗽

鑑別で重要なことは、重大な病気(肺癌・肺結核)を除外することです。そこで、問診表でグレーだった部分をクリアーにするための手段の一つがNOの測定なのです。

NOとは、一酸化窒素のことです。当院で実施している検査は、呼気(吐く息)中のNOを測定しています。気管支喘息の場合、主にNOは、気道上皮、炎症細胞が産生します。さらに呼気中のNO値は、炎症細胞である好酸球数と正の相関を示します。すなわち、呼気中のNO値が高いことは、すなわち好酸球が多く存在するということが言えます。好酸球とは何かと申しますと、私達の血液は、赤血球、白血球、血小板に分類されます。

さらに、白血球は、人間が皮膚の色によって白色人種、黄色人種、黒色人種に区別されるように、役割り分担によっていくつかの細胞に分類され、その中の一つが好酸球です。好酸球はアレルギーを担当する重要な細胞です。NOの数値が高いということは、長引くセキの原因がアレルギー疾患である可能性が高く、逆に、NOの数値が低ければ、アレルギー疾患は除外できる可能性が高く、診断が絞られます。NOの測定は約2~3分で結果がすぐに得られ、簡単で、苦痛のない検査です。当院では、今後もNOの測定を使って咳嗽の的確な診断を目指したいと考えています。

アトピー咳嗽

のどがイガイガする咳の原因は?

咳で来院される方の中で、のどがイガイガして咳が出ると言われる患者さんが多く見られます(特に女性)。教科書的には、このような方のセキの原因は、アトピー咳嗽であると述べられています。

アトピーと言うと、皮膚のアトピー性皮膚炎を想像しますが、皮膚の病気とは全く別の病気で。診断は、投薬による治療的診断となり、もどかしさが残りますが、治療が適切であれば劇的に改善します。
アトピー咳嗽もそうですが、その他の咳嗽と同様に合併症(咳喘息、アレルギー性鼻炎など)があります。ですから同時に合併症の治療を行なわなければ咳は止まりません。幸に咳喘息と違ってアトピー咳嗽の治療は、継続の必用ありませんが、この病気も専門医でなければなかなか気が付かない病気です。