アレルゲンなどの様々な要因によって気道に慢性的に炎症が起きる結果、気道が狭くなり、呼吸困難が生じ、その際に「ヒューヒュー、ゼーゼー」といった喘鳴(息を吐く際に聞こえる音)が聴取されるのが特徴です。
これらの症状は、季節の変わり目や、1日のうちでも夜間や早朝に悪化しやすい傾向にあります。詳しくはブログへ。
診断に有用な検査
- 1.問診
- 喘息専用の問診票を用います。
発作性の呼吸困難、喘鳴、咳、痰の有無などをお聞きします。
- 2.聴診
- 喘息に特有な喘鳴の有無を、聴診器を用いて確認します。
- 3.胸部レントゲン撮影
- 気管支喘息は、胸部レントゲン所見はほぼ正常ですので、その他の喘鳴、呼吸困難、咳嗽、喀痰の原因となる疾患(心不全、COPD、気管支拡張症、びまん性汎細気管支炎)がないかどうかを調べるために行います。特に、心臓喘息の鑑別が大切です。
- 4.呼吸機能検査
- 発作時、または慢性の方は、閉塞性の換気障害を認めます。
気管支喘息は、可逆性の気流制限(発作時のみ気道が狭くなり、それ以外は正常)がありますので、可逆性があるかどうかを確認します。
- 5.気道過敏性の亢進
- 診断価値の大きな検査ですが、当院では行っていません。
- 6.喀痰検査
- 喀痰中の好酸球数増多は、気道に炎症があることの証明です。補助診断です。
- 7.呼気NO検査
- 呼気NOの高値は、気道炎症の存在の可能性があります。補助診断です。
詳しくはこちら
- 8.血液検査
- アトピー素因の確認のため、血清総IgE高値、種々の環境アレルゲンに対する特異的IgE抗体の存在を調べます。結果により、環境管理を指導します。
- 9.喘息日記の記入
- 日々の発作の有無や、ピークフロー測定値を記入(ご本人)して頂くことにより、管理指導を行い、内服薬や吸入回数の指示を致します。
しかしながら、患者ごとに多様性があり、経過も患者ごとに大きく異なることが多く、典型的な症状や兆候がない方もいるので、診断が難しく、誤診の多い疾患です。
※以上の検査は、個人差があるため医師の判断により順序が変更されたり、省かれることがあります。
こんな症状はありませんか?
- 頑固な咳が続き、呼吸の際、ゼェーゼェー、ヒューヒューする音が聞こえる
- 自分では気が付かないが、寝ている時にゼェーゼェー、ヒューヒューする音が聞こえると言われたことがある
- 夜明けに咳や息苦しさで目が覚めることがある・そのような時は、座った方が横になるより息が楽である
- 粘りの多い、透明なタンが出る
- 動悸が起きやすい
- 静かにしているあまり感じないが、少し速めに歩くと息が苦しい
- 気管がつまった感じがする
- 息が十分に吸えない感じがある
- 胸全体の圧迫感がある
※チェック項目が3個以上だった方は、喘息の可能性があります。早めに受診してください。