梅屋敷診療所

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長引く咳とは

長引く咳とは、8週間以上持続する咳のことです。我が国で一番多い疾患は咳喘息です。

1.咳喘息とは
1)診断に有用な検査
(1)問診 咳嗽は深夜あるいは早朝に悪化しやすい傾向にありますが、昼間のみの方もいらっしゃいます。症状は、季節性がしばしばみられ、寒暖差、運動、喫煙、花粉、黄砂、会話、湯気によって誘発されます。
(2)聴診 喘鳴(ゼイゼイ・ヒューヒュー)は聴取されません。
(3)胸部レントゲン撮影 正常です
(4)呼吸機能検査 ほぼ正常です
(5)喀痰検査 喀痰中の好酸球数増多は、補助診断に有用です。
(6)呼気NO検査 呼気NOの高値は、補助診断に有用です。高値を示さない方もいらっしゃいます。
(7)血液検査 種々の環境アレルゲンに対する特異的IgE抗体の存在が60%前後の方に見られます。結果により、環境管理を指導します。
2)治療について 吸入ステロイドを中心とした、長期治療が必要です
3)予後について 経過中に成人では無治療の場合約30~40%が典型的喘息に移行します。

2.アトピー咳嗽とは 慢性咳嗽の中で咳喘息に次いで頻度の多い疾患です。アトピーと言えばアトピー性皮膚炎を連想しますが、全く違う疾患です。アトピー素因を背景に発症する疾患で、病態は、中枢気道に炎症の主座があり、気道の収縮ではなく、気道壁表面の咳受容体感受性の亢進が基本病態です。

1)アトピー咳嗽の診断 好酸球性の気道炎症は中枢気道(非喘息性好酸球性気道炎症)に限局していると考えられ、このためFeNO 濃度も正常範囲内です。アトピー素因を有する中年の女性に多いのが特徴で、咽頭の掻痒感、イガイガ感を伴います。

2)アトピー咳嗽の治療 治療はヒスタミンH1受容体拮抗薬が60%の患者さんに有効ですが、効果が不良の場合は、吸入ステロイドの追加を試みます。重症例では経口のステロイド薬などを投与することもありますが、一般的ではありません。咳止めや気管支拡張剤、抗菌薬は無効です。咳喘息と違って気管支喘息に移行することはなく、症状が軽快すれば治療を中止することが可能ですが、約50%が再発します。典型的な喘息への移行がないことも咳喘息とは異なっています。